コーチングの効果
今年の3月からコーチングを受けている。
2017年に約20年間続けたサラリーマンを辞め、ベンチャー企業に転職後、個人事業主として独立したが、心になんとも言えない「モヤモヤ」が残る日々を過ごしていた。
不安感の要因は、「会社員」の時間の使い方が、自分自身で100%管理することにあったように思う。
例えば、半年前から習い始めたギター。
月3回、決まった週の決まった時間にレッスン時間を設定するわけだが、土日と夜の時間帯が埋まっていたので、平日の午前中を選択することになった。
どうしても断れない仕事が入るときなどは、調整して振替しながら、毎週通い、自宅作業の合間に少し練習をし、レッスンに臨むというスタイルになった。
レッスンは価値ある内容だが、
「自分は本当に平日にこんな時間の過ごし方をしていていいのだろうか?」
という内面の葛藤があった。
多くの人達が働いている時間帯に、自分だけ趣味の時間を過ごしている、という罪悪感があった。
会社員時代の時間の概念はオン・オフの2つで済んでいたが、個人事業主になると、自分の時間をどうやって貨幣に変えるかを考えるようになる。
稼ぐためには少しでも時間をお金に変える使い方に目を向ける必要があるが、短期的な収益だけに目を向けると、中長期的な取り組みが疎かになってしまう。
企業で言うところの「投資活動」の時間が必要になってくる。
時間という資源のアロケーションを考え、上記のようなオンタイムにプライベートな活動をする時はもちろん、学びの時間などのように、すぐに収益を生まないが、将来に向けた投資的活動をしているときにも何かスッキリしない不安感を抱えていた。
そんな時、たまたまビジネススクール時代の知人が、コーチング業を始めていて
「人生、フルスイング感していますか?」
というメッセージがささり、体験セッションを受けた結果、コーチングを受けることに決めた。
そこから約半年が経った今、あらゆることにフルスイングをして向き合える自分が作れつつあるように感じている。そしてその理由は、教わった中身よりも(もちろんそれも重要だが)、常に寄り添うコーチがいる、ということそのものにある。
自己啓発の本は世の中にあまたあるが、読後に書いてあることをどのように自分の血肉にするかが最も難しい。読んで少し知恵がついた、と思ったぐらいでは対して身になっていないのだ。
そこに寄り添ってくれる「コーチ」という存在そのものが大きな活力になっている。
本1冊にしてもそこから何を得たか、自分にどのような変化をもたらせたのか、などをコーチとのディスカッションを通してアウトプットをする。この事により、1冊の本の価値を何倍にも高めることができる。
人間は一朝一夕に簡単に変わることはできない。筋トレだって効果が出てくるのは始めてから数カ月後。フィジカルトレーニングのコーチは市民権を得ているが、メンタルのコーチはこれからますます不確定性が高まる世の中では重要になる気がする。