フレンチプレスに出会って、ようやくコーヒー界の入り口に立てた気がした
「コーヒー好き」というと少しかっこいい人に思える。
なんとなく細かいことまで目が行き届く「デキる人」のイメージがある。
かっこいい人、デキる人に憧れるという不純な動機もあり、自分もコーヒーにハマりたいと思っていた。しかし、豆、道具、ノウハウなどそれぞれが奥深く、敷居が高いイメージがあった。余談だが、音楽のジャズと共通している感覚かもしれない。
普段のコーヒー生活は、自宅仕事の合間かカフェ作業でチェーン店で頼むことが中心。ちょっとした気分転換なので、あまり時間や手間をかける気にもなれず、家ではインスタントコーヒー、外ではブレンドのホットという感じ。
正直に言うと、カフェのコーヒーを飲んで、そんなに「美味しい」と思ったことはあんまり無かった。ちょっと濃いすぎたり、何杯も飲みすぎて胃がもたれてきたりと、そもそも自分はコーヒーに向いていない体質なのか、とも思っていた。
ところが先日、とあるコーヒー通の方に入れていただいたコーヒーがものすごく美味しかった。当然ながらその方は、ものすごくかっこよくてデキる人である。
コーヒーの味要素には、味の濃淡に加えて苦味や酸味などがあるらしい。
それぞれの要素が自分にとって、ものすごく心地の良いバランスだったのだ。
この味を自分で再現したくなり、自分のこれまでのコーヒーへの挫折談を共有しつつ、いろいろとその方に聞いみたら、「フレンチプレスがいいかも。」とアドバイスを頂いた。
コーヒーの淹れ方は、ドリップやサイフォンが、一般的だと思う。
フレンチプレスとは、こんな感じの器具。
紅茶を淹れる器具として使ったことはあったが、コーヒーにも使えることを知ったのは最近の話。ビーカーに、挽いたコーヒー豆を入れ、お湯を注いで4分待ってからプランジャー(上のノブ)を下げたら完成、とお手軽にできる。
ドリップでコーヒーを淹れるとき、フィルターの種類やお湯の注ぎ方で味は変化する。お湯の注ぎ方を、ポットからドバっと注ぐのではなく、注ぎ口が細い専用のケトルからそっと注ぐだけで味が変わることを実感したことがある。
ここでフレンチプレスを使うと、お湯を注ぐという作業で味の変動要素を減らすことが出来ることを知った。
フレンチプレスはドリップのように紙を使わないので、コーヒー豆の油分を吸い取らずそのままの味が出るなど、良くも悪くもコーヒー豆の特徴がよく出る入れ方らしい。通はフレンチプレスで淹れたコーヒーを、ドリップの濾紙に通して油分を減らしたりもするらしい。
フレンチプレスと一緒に買ったコーヒー豆で何回か試してみたら、確かに少々雑に淹れても、同じ味でコーヒーを楽しむことが出来た。
お湯を注ぐ段階での味の変動要素を減らすことによって、同じお店で同じ焙煎方法、豆挽きまでしたものであれば、コーヒー豆の違いを感じることに集中することができるかもしれない。
ここから豆の沼にハマっていくのだろうか。