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日々の記録、感じたこと、思ったことなど。

北海道ツーリング2021 Day5 〜北方領土を知った日〜

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天気は曇り空だったが、久しぶりに雨の降らない朝を迎えることが出来た。

テレビをつけると、午前中は曇り、午後から晴れ間が見えるという予報だった。
 
ここ数日は雨予報が続いていたのでキャンプ中心だったプランをホテル泊中心に変更、釧路に2泊し、今日は根室納沙布岬へ往復する計画にした。
Day1に最北端の宗谷岬に行ったので、続いて最東端の納沙布岬へを目指す。

久しぶりにカッパを着ずにバイクに跨り、9時前に出発。平日のせいか、釧路市内は朝のラッシュで車が多い。平日に旅が出来ていることに自由業のありがたさを感じる。

 
ガソリンはあと100kmほど持ちそうだったので、釧路の中心部ではなく郊外で給油するようにした。
 
北海道は町と町の間が結構な距離で離れているので、ガソリンは常に余裕を持っていれるようにしている。例えば1日目に通過した霧立国道は、ガソリンスタンドがしばらく無いので要注意、とツーリングマップルに書いてあった。自分のバイクは満タンにすると400km近く走るので、だいたい1日の始まりか終わりに満タンにするようにしていた。
 
釧路から根室へは国道が続くので、ガソリンスタンドはたくさんあるだろうと思い、郊外までは燃料は入れずにいた。そろそろ景色が寂しくなってきた辺りで目に入ったガソリンスタンドに入ると、なんと「ハイオク」は無いと言われた。
これまでも走っている時に、価格がレギュラー、軽油、灯油の3種類表示されているガソリンスタンドをよく見かけていた。ハイオクの価格を表示していないなぐらいに考え、ハイオク表示のない地元のガソリンスタンドに入ると、まさかのハイオク未対応だった。根室までは100km程度でガソリン残量もあったので特に焦りはしなかったが、もしギリギリ無くなるまでガソリンを入れないまま走ってハイオク未対応だと言われると困るだろう。
幸いそこから10kmほど走るとハイオク価格を表示したガソリンスタンドがあり、無事満タンにして本日の移動の心配は無くなった。いずれにせよ北海道ツーリング、とりわけハイオクのバイクはガソリンは1日のはじめか終わりにしっかりと満タンにしておくと安心だ。
雨は止んだものの太陽が出ているわけではなく、肌寒い中での走行だった。気温は20度を切っている。昨日に引き続き、ダウンのベストをメッシュジャケットの下に着込んでいるので、辛うじて寒さに震えることは無かったが、革ジャンを着ていてちょうどよいぐらいの気候だった。おそるべし夏の道東。
そういえば、一度だけ道路で茶色の鷲を見かけた。あとで寄った根室の資料館にあった剥製によると、天然記念物の「オジロワシ」と似ていた。

2時間ほど村と原野を走った後、「道の駅 スワン44ねむろ」で風蓮湖を眺めながらコーヒー休憩を挟み、根室市内に入った。f:id:slopelife:20210828155519j:plain

根室の市街地は根室半島の根っこ側にあり、目標とする納沙布岬はそこから更に数十分進んだところにあった。納沙布岬まであと数キロの表示になったあたりからタワーっぽい建物が見えていたので、オホーツクタワーについで、またタワーに登れるかと思って近づいたら、残念ながら営業をしていなかった。後からネットで調べたら「オーロラタワー」と説明があり臨時休業と書かれていたが、見た感じはすでに廃墟っぽくなっていた。ツイッターアカウントは、ブログ執筆時点で2020年2月28日にコロナの影響で休業とあり、それ以降の更新はなかった。現在はどういう状況なのか。

 

 
タワーを右手に見ながら左折すると、食堂や土産物店が見えた。正面にはオホーツク海が。海沿いの細い道を右に進むと灯台がある駐車場に着いた。ここが最東端、納沙布岬だ。
 

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岬の常として納沙布岬も風が強かった。
慎重にバイクを止めて、100mほど灯台まで歩く。この先は北方領土らしい。晴天時は歯舞群島がはっきりと見えるらしい。今日は曇り空だったが、それでも薄っすらと島らしきものが見えた。

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北方領土はロシアに違法占拠された日本の領土とはいえ、現在はロシア支配下にある。ということはこの納沙布岬が実質の国境ゾーンとなる。島国日本で生活していると、普段は国境のことを意識しないが、ほんの少し先が異国という感覚は他では得ることが無いものだ。ただ、この場所は両国の領土問題の最前線にあるとは思えないような静かな時間が流れていたことが印象的だった。
 
土産物店に移動。この周辺は望郷の岬公園と言って、「北方領土資料館」や「望郷の家」など北方領土を学べる場所があった。それぞれをじっくり見学。望郷の家にあったテレビ望遠鏡からは貝殻島にある灯台を見ることが出来た。

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太平洋戦争以前は北方領土の先、千島列島まで日本の領土だったのかなど、今まで知らなかったことがたくさん。これまでは学校の授業やメディアを通じてしか北方領土にふれることが無かったので、ほんとうの意味で初めて知った気がする。資料を色々頂けたので、もう少し北方領土を学んでみようと思った。
公園には巨大なモニュメントが。四島の架け橋、というテーマらしい。

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近くにあった食堂で、サンマ、いくら、タコの三色丼を頂く。本当は北方領土にちなんでカニが入った四食丼なのだが、甲殻類アレルギーなので、カニの代わりにサンマを増量してもらった。美味しく頂けた。

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ちょっと気になったけど、どうでもいい事。納沙布岬に入る交差点に普通の家が1軒建っている。ほんとうに普通の家なので写真は取らなかったが、納沙布岬エリア内の建物は食堂や商店なので、交差点に入る手前に立っている家が、日本最東端の家になるんじゃないかと思った。
周辺の見学の最後に北方領土資料館に寄ったら、「到達証明書」を貰った。よく見るとこれは日本の東西南北4岬分あった。おとといに宗谷岬に行った時は、風が強くてどこにも寄らずに移動してしまったので、最北端の証明書を貰い損ねたことに気付く。宗谷岬には三度目の正直が必要になりそうだ。
 
釧路への帰り道は、行きとは違う道を検索し、海沿いの北大西洋シーサイドラインという道を通ることにした。この道が大当たりだった。原野の中、海沿いの道、遠くに見える岬などを景色の変化をたっぷり楽しむことが出来た。途中にもともとキャンプをしようと思っていた霧多布岬に寄ってみた。やはり岬の常として、こちらも強風で危うくバイクを倒すところだったが、景色は最高だった。
 

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夕方には釧路のホテルに戻った。
夕食にどうかと思い、歓楽街を少し歩いてみたが、コロナもあり人の多いところは避けることにした。平時ならフラッと地元のスナックに寄るのも楽しいんだけど、そういう日が戻ってくるのはいつのことか。結局、ホテルの近くにあったラーメン屋さんで簡単にすませた。

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いずれにせよ北海道に来てようやくツーリングらしい1日を過ごすことができた。
 
明日はいよいよ帰りのフェリーに乗るため、苫小牧に向かう。