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日々の記録、感じたこと、思ったことなど。

北海道ツーリング2021 Day3 〜オホーツク海を堪能〜

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北海道ツーリング3日目の朝は、雨がテントをパラパラと叩く音で目が覚めた。どうやら雨はまだやんでいないようだ。

 
ヤレヤレと思いながら、カッパを着て撤収を始める。昨日セイコーマートで買った卵とベーコンを焼くような優雅な朝食を準備する余裕は当然無い。それに主食のパンを買うのも忘れていた。よっぽどまともな思考力が失われていたらしい。
大きなビニール袋を持ってきてたので、濡れ物を片っ端からそこにつっこんだ。山登りの際に雨に出くわした時の時短撤収法がこんな時に役に立つとは。
 
土砂降りの中、出発。昨日の買い出し時と変わらない大雨だ。
 

 

ただ、バイクはさすがBMW、運転自体には全く不安はなかった。雨の中の走行にも関わらず車体は安定していた。
 
BMWのバイクにはRAIN,ROAD,Dynamic,DynamicProの4つのライディングモードがある。RAINモードはアクセルを開けた時の車体の反応がややマイルドになる。逆にDynamicProはレスポンスが良くなる。今回のツーリングはほとんど雨だったので、ほぼRainモードで走行したが、どれだけ強い雨にあたってもバイクの挙動で危険を感じる状況は1度もなかった。
 
またハンドルグリップには温熱装置(グリップヒーター)が付いており、かなりしっかりと温まる。雨が止んでもそのままつけっぱなしにしておくと、しばらくしたらグローブが乾くぐらいのパワーだ。手が温まるとこんなにも身体が冷えないものかと感心した。このグリップヒーターのおかげでずぶ濡れになっても身体が冷えずに済んだ。もう1台、SR400を所有しているが、もしこちらで行ってたとしたらもっと色々大変だったと思う。歳を取ってからのロングツーリングはテクノロジーに頼るほうが安心だ。
 
道の駅 マリーンアイランド岡島でようやく朝食にありつけた。

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紋別まではとにかく雨風がすごかった。暴風雨に近かったと思う。実は4年ほど前にバイクの免許を取って以来、雨の日にバイクに乗った経験が無かった。今回はこれまでの分をまとめて雨を味わっているようだ。雨天走行経験値を一気に稼げた。もう当分はいらない。(が、まだまだこのツーリングで経験する。)
 
今回の学びは大きく以下3点。
・ヘルメットのシールドには撥水処理をしておく。
・メガネ拭きをすぐ取り出せるよう常備しておく。
・濡れたグローブでメガネを触らない。
 
さて、今日の宿は当初は知床の先、羅臼のキャンプ場の予定だった。
しかしこの雨模様だったので、100kmほど手前にある網走のビジネスホテルに変更をした。したがって移動時間が1時間以上減り、さらにテント設営の時間も必要なくなったので、時間に少し余裕が出来た。そこでやや観光モードにマインドを変更することにした。
 
枝幸を出て紋別に近づくと少し雨が小ぶりになってきた。周りを見る余裕が出来てきた時に「オホーツクタワー」の看板が見えた。以前、東尋坊に行った時に「東尋坊タワー」に行って以来一期一会の場所として観光地に「タワー」があるとつい訪れてしまうようになった。何か地元特有の情報が詰まっているような気がするからだ。知床泊ならば先を急ぐところだったが、気持ちは観光モードに変わり、さらに宿を網走に変更していたので時間はたっぷりあり、寄ってみることに。
 
駐車場に近づくと「ガリンコ号」が展示してあった。

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冬のオホーツク海は一面凍りつくので、氷を砕きながら進む船だ。船の下にあるドリルが迫力ある。
 
駐車場にバイクを置くと、オホーツクタワーは堤防のはるか先にあった。

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無料の送迎バスが頻繁に行ったりきたりしているが、急ぐ旅でも無いので、荒れたオホーツク海を見ながら海の回廊のような通路をタワーまで歩いて向かった。

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タワーは地下1階、地上3階建ての建物だった。まずは3階の展望台に向かう。展望台には小洒落たカフェがあり、オホーツク海を一望できる。ゆっくりコーヒーを飲んでぼーっと海を眺めた。

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地下は500円払って入場する水族館になっている。また特殊な窓があり、濁ってはいるがオホーツクの海中も見ることができた。

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よく見ると魚が窓に張り付いてた。こちらが観察しているのか、あちらが観察しているのか。

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帰りは送迎バスに乗って駐車場に戻った。隣接された土産物屋さんに併設された食堂で現役のガリンコ号を見ながら海鮮丼を食べ、オホーツクタワーを後にした。次回は是非冬に訪れたい。

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国道239号を南下するに連れ雨はすっかり上がり、サロマ湖の辺りでは道路も乾いてきたので、道の駅サロマ湖でようやくカッパを脱ぐことが出来た。

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サロマ湖ウルトラマラソンという100kmマラソンで有名な場所だ。村上春樹さんのエッセイ、「走ることについて語るときに僕の語ること」にも登場する。湖畔を通過しただけだが、なんだか海外の有名スポット、例えばハワイのダイアモンドヘッドに行った時のような、「名所に行った感」を味わうことが出来た。
 
サロマ湖の出て能取(のとろ)湖をすぎると網走湖が見えてきた。
網走で観光といえば網走刑務所でしょと、「博物館 網走監獄」に向かった。
 
訪れて初めて知ったのだが、博物館 網走監獄はかつての網走刑務所の建物を移設して博物館として公開したもの。そして網走刑務所自体は今でも運営されている。博物館の網走監獄は明治の網走刑務所の佇まいを再現し、北海道開拓の一端を担った受刑者の方々の物語を垣間見ることもできた。
 
明治時代の建物を見る度にその美しさに惚れ惚れするが、網走監獄も例外ではなかった。ただ充分な断熱がない時代の建物では、当時の冬の寒さは想像を絶するものがあるだろう。

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じっくり見るとあっという間に時間が経っていた。知床へ急ぐなら寄れなかった場所。雨の予定変更も悪くない。
 
博物館を後にし、予約してあったビジネスホテルに向かった。
ホテルの駐車場はすでにバイクでいっぱい。皆考えることは同じみたい。風呂に入り、コインランドリーで洗濯して一息。少し歩くと繁華街があるようだったが、夜から雨予報だし、そもそもコロナで接触も避けたかったので、セイコーマートでカツ丼弁当を買って部屋で食べることにした。
 
翌日の天気予報を調べると、これまたかなり悪かったので、当初は根室経由で釧路と考えていたが、釧路に直行するスケジュールに変更した。とはいえ、せっかくなので知床を回って、できれば野付半島に行けたらと考えた。それが甘い希望だったのは翌日気付くことになる。
 
久々にビールを飲んで気持ちよくなり、早めに就寝した。

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